プログラマーとは?ープログラム言語を操るIT業界の職人

様々なサービスをIT化するために欠かせないプログラミング。プログラマーはプログラム言語を操りアプリケーションを作り上げるIT業界の職人です。どんなハードウェアもアプリケーションがなければ意味がないため、熟練のプログラマーの需要は常にあります。



このページでは常に人手不足が叫ばれるプログラマーについて、仕事内容や資格など詳しく見ていきます。

プログラマー(PG)とは?

プログラマーとは、プログラミング言語を用いシステムやソフトウェアを開発する仕事です。コンピュータが動くためにはOSを始めとしたソフトウェアが必要ですが、これらはすべてプログラマーが作成したもの。所属する会社により開発するプログラムの種類は多岐に渡ります。

プログラムの種類

プログラマーが開発するソフトウェアはいくつか種類があります。



OS(オペレーションシステム)

WindowsやOS X、LinuxやUNIXなど、サーバーやコンピュータが動くための基盤となるソフトウェアです。入力や画面表示、キーボードやマウスコントロールなど基本的な操作がプログラムされています。



ミドルウェア

OSの上に乗る大きな業務を管理するためのソフトウェア。OSとアプリケーションの中間に位置します。データベース管理システムやWebサーバーなどはミドルウェアになります。



アプリケーション

各業務を実行するためのソフトウェアで、通常プログラマーが開発するソフトウェアと言う場合はアプリケーションを指す場合がほとんどです。EXCELやWordなど市販のアプリケーションの他、各企業が自社の業務に合わせて開発する基幹システムがあり、一から作り上げる場合とカスタマイズして各企業にニーズに合わせる場合とがあります。



ゲーム

ゲームもアプリケーションの1つです。ゲームプログラミングは一般の業務用ソフトウェアとは性質が大きく異ることから開発もゲーム会社が行う場合がほとんどです。最近増加しているアプリやWebで利用するゲームの開発者をWebプログラマーと呼ぶこともあります。

PGとSEの違いについて

システム開発、プログラミングと聞くと頭に浮かぶのがシステムエンジニアという人も多いです。プログラマー(PG)とシステムエンジニア(SE)の共通点と異なる点を確認していきます。



システムエンジニアとは?で解説しましたが、システム開発の工程はいくつかに分かれています。システムの要件定義から始まり、基本設計、詳細設計、プログラミング、テストを経て完成しますが、システムエンジニアはすべての業務を俯瞰し、スケジュールや工程管理、製品管理を行います。



プログラマーは主にプログラミングを担当し、場合によっては作成したプログラムのテストをします。システムエンジニアが開発の工程全体に関わるマネージャー的存在であるのに対し、プログラミングに特化している専門家がプログラマーです。



システムエンジニアはプログラマーの仕事を兼任することもありますが、プログラマーはシステムエンジニアの全行程を代わりにすることはほとんどありません。キャリアパスで言えばプログラマーが経験を積みシステムの設計ができるようになり、システムエンジニアとして成長していくと考えればよいでしょう。ただし、すべてのプログラマーがシステムエンジニアになっていくわけではありません。開発が好きだからとシステムエンジニアにならずにプログラマーを続ける人もいます。



収入面で言えば、全体をまとめることのできるシステムエンジニアのほうが高収入の場合が多い場合がほとんどです。

主なプログラミング言語

プログラマーが扱うプログラミング言語は、開発の目的や開発環境により多種多様です。ここではよく利用されているプログラミング言語をいくつか取り上げて開設します。

利用頻度高いのプログラミング言語

C言語

C言語はシステム開発に使われるプログラミングの基本とも言える言語です。色々なプログラム言語の元になっているため覚えておくと他の言語を覚えるのが容易になる反面、簡単なタスクの実行に複雑なコーディングが必要だったりと欠点もあります。歴史のある言語ですが、今でも需要が高いため業務用システム開発を目指す人は習得しておきたいです。



C++

C++はC言語を元に拡張版として開発された言語です。ゲーム開発でも用いられることがありますが、難しい言語のため初心者向きではありません。C言語との互換性があることが大きな特徴。現在は規模の大きな業務システムや公共システムの開発などに利用されることが多いです。



Phython

Phythonは海外でよく使われる初心者にも導入しやすい開発言語の1つ。デスクトップアプリやWebアプリケーションの構築にも向いています。少ないコードでプログラムが書けるためコードが読みやすく、開発効率が高いのが特徴。AI、科学技術、教育の分野で実績があり、将来性が高い言語の1つです。



Swift

SwiftはAppleが開発したiOS開発向けのプログラム言語です。iPhoneやiPadのアプリ、Mac向けアプリの開発に利用します。コーディングが簡単で初心者にも習得しやすい開発言語の1つですが、開発に使用するXcodeが動かせるMacパソコンが必要。スマホアプリの開発をしたい人におすすめの言語です。



Java

Javaは世界で最も開発に使用されている言語の1つです。人気の理由はJavaで作成したプログラムが特定のOSに依存しない汎用性の高さにあります。習得したい言語のランキングでも常に上位に入り、Android用アプリやデスクトップアプリ、ゲームだけでなく企業のバックエンドシステムの構築にも利用されます。オブジェクト指向が特徴で、グループで開発をするときの作業効率がよい反面、作業環境の設定などコーディング以外の作業が煩雑なデメリットがあります。



Ruby

Rubyは日本人のまつもとゆきひろ氏が開発したオブジェクト指向言語です。Ruby on RailsというWebアプリケーションフレームワークを使いWebシステムを効率的に開発できるのが特徴。開発工程が短縮できることからコストが削減できます。また開発者が日本人なので日本語の資料や参考書が多くあり、特に日本のスタートアップ企業で利用されています。Webベースの業務システムやWebサイトの開発をしたい人は覚えておきたい言語です。



PHP

PHPは動的にWebページが作成できるスクリプト型の言語です。他の言語に比べてわかりやすくシンプルな文法のため、初心者が習得しやすい言語の1つ。HTMLに埋め込んで使用できることから、WordPressを含めたWebアプリケーションの開発に利用されます。またデータベースとの連携が得意な点も特徴です。



・Java Script

Java Scriptは動的なWebページを作るための開発言語です。Javaと名前が似ていますが関連はありません。HTML、CSSとともにプラウザが翻訳できる言語であること、開発環境が簡単に用意できることが特徴です。Node.jsなどJava Scriptの技術を応用した進化系のテクノロジーの登場でさらに利用範囲が広がっています。

Webに関わるプログラミング言語

上記以外にHTMLやCSSという名前を聞いたことがある人は多いと思います。これらもプログラム言語ですが、利用方法が大きく異なります。HTMLはマークアップ言語といい、文章の構造を伝えるための言語。HTMLとセットで利用されるCSSはレイアウトをデザインするためのスタイルシートです。この2つは何をどのように表示させるかだけで、データのやり取りをするにはPHPやJava Scriptなど他の言語と組み合わせなければいけません。



この2つの言語は開発環境も簡単に用意でき、結果がすぐに見えることから初心者向けの簡単な言語である反面、これだけではシステムを動かすことができません。プログラマーが使用できることから、この2つができてもプログラマーに転職することは難しいです。少なくとも利用頻度の高い言語に上げたプログラム言語のうち1つができることがプログラマー転職の条件と言えます。

今後注目のプログラミング言語

プログラマーの能力をテストし外資系ITの転職の際に必須とも言われているサービス、HackerRankのレポートでは今後注目されるプログラミング言語を3つ挙げています。Googleの開発したGo公式Android開発言語として採用されたKotlin、上記利用頻度の高い言語にも上げたPhythonです。



Goはシンプルで読みやすく、拡張性が高いことなどに加えAndroid、iOSのどちらにも対応していることが強み。Webサーバ構築やマルチプラットフォーム向けWebアプリケーションなどに使用され、今後PHPの代わりになっていくことが期待されています。



Kotlin(コトリン)は2009年にできたばかりの新しい言語。Javaとの互換性がありシンプルなコードにわかりやすい文法で初心者にも習得しやすいこともあり、Javaを習得した人が次に覚えたい言語です。



以前から海外を中心に人気の高いPhython(パイソン)は、今後AIやディープラーニング分野での開発で欠かせない言語として注目されています。比較的初心者にもわかりやすいシンプルな文法なので、キャリアアップを望む人におすすめです。



HackerRankについてはこちら

プログラマーに求められるスキルや資格

最後にプログラマーに求められるスキルや資格を見ていきます。人手不足のため未経験者の求人も増えているプログラマーになるには何が必要なのでしょうか。

プログラマーに求められるスキル

プログラミングに必要とされるスキルの1つ目はプログラミング能力です。HTMLやCSSではなく、システム開発に使える言語を最低限1つ、できれば複数理解していることが望まれます。始めは1からコーディングができなくとも既存プログラムを読み解け、カスタマイズや修正ができれば次へのステップに繋がります。



次にデータベースに関する知識です。ほとんどのシステムはデータベースが必要となります。このためデータベースの基本的な知識、特にSQLと呼ばれるデータベース言語を理解していれば開発できるシステムの幅が広がります。プログラム言語と並行して勉強しておきたい知識の1つです。



最後はコミュニケーション能力です。プログラミングは一人で黙々とする作業というイメージを持っている人もいますが、実際はチームで開発することが多く他のプログラマーやシステムエンジニアとの連携は必須。また、経験を積んでくれば顧客から直接ヒアリングや操作説明をすることもあります。コミュニケーション能力があればよりスムーズな開発ができ、顧客や製品の満足度も高くなります。

プログラマーが持っていたい資格

プログラマーになるために絶対必要な資格というものはありません。しかし、未経験者が採用されるには資格は求められるスキルを示せる便利なツールになります。



基本情報技術者試験はITに関する最低限の知識があることを証明できる便利な資格です。プログラム言語やデータベースに関する知識も問われますので、資格取得のための勉強を通して必要なスキルを身につけることができます。プログラム言語はC、Java、Phython、アセンブラ言語(CASLⅡ)が選択できます。



受験機会が年に2回しかないこと、未経験者が独学で身につけるのは難しいので、スクールを上手く利用して短期間で合格を狙いたいです。


基本情報技術者試験について詳しくはこちら




この他ベンダーの認定資格もありますが、転職の際に有利になることはあっても必須ではありません。プログラマーはどれだけの案件を開発したかの実績が問われることのほうが多いため、自分の関わった案件を記録しておくことは大切です。



システムエンジニアへのキャリアアップを考えている場合はデータベーススペシャリスト試験やプロジェクトマネージャー試験、システムアーキテクト試験などの国家資格の取得を目指すとよいでしょう。

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